今日の聖句:ヨハネの福音書 1章5節
原語:καὶ τὸ φῶς ἐν τῇ σκοτίᾳ φαίνει, καὶ ἡ σκοτία αὐτὸ οὐ κατέλαβεν.逐語訳: そして、その光はその暗闇の中で輝いている、そしてその暗闇はそれを悟らなかった(打ち勝たなかった)。
解釈ポイント
この聖句の鍵となるのは、「カテラベン(κατέλαβεν)」という動詞の二重の意味です。
- 知的理解: 暗闇(罪の中にある世界)は、光であるキリストの本質を理解できなかった。
- 物理的制圧: 暗闇は、光を「捕らえる(抑え込む)」ことができなかった。
キリストとの結びつき
ここでの「光」は、
受肉される前の、そして受肉されたロゴス(キリスト)
を指しています。
キリストの十字架は、
一見すると暗闇が光を飲み込んだ敗北の瞬間に見えます。
しかし実際には、
暗闇は光を「カテラベン(制圧)」できず、
復活の朝に光が完全に勝利しました。
キリストは単なる「良い教え」ではなく、
「存在そのものが暗闇に浸食されない光」
として提示されています。
私たちが絶望(暗闇)の中にいる時でも、
光が「輝いている(現在形)」という事実は、
キリストの救いの力が今も継続していることを保証しています。
訳文の比較
新改訳2017:「光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった。」
新共同訳:「光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。」
新改訳は「制圧・勝利」の文脈を、新共同訳は「理解」の文脈を強調しています。
しかし、原語のニュアンスを汲み取るならば、
「闇は光を理解できず、それゆえに光を制御(消去)することもできなかった」
という両義的な理解が最も深く、
キリストの圧倒的な超越性を示しています。
