今日の聖句をお届けします。
本日は、信仰の父アブラハムの生涯から、福音の核心に触れる一節を選びました。
今日の聖句:創世記 15章6節
原語(ヘブル語):
וְהֶאֱמִ֖ן בַּיהוָ֑ה וַיַּחְשְׁבֶ֥הָ לּ֖וֹ צְדָקָֽה׃
逐語訳: 「そして彼は主を信じた。すると、主はそれを彼に対して義とみなされた。」
解釈ポイント
この箇所は、聖書全体の背骨とも言える聖句です。
新約聖書においてパウロが
「信仰による義」を説明する際にも引用されます。
「ハーシャヴ(חָשַׁב:ḥāšav)」の恵み
ここで使われている「ハーシャヴ(חָשַׁב)」という言葉は、
会計用語で「勘定に入れる」という意味を持ちます。
アブラハム自身に「義(正しさ)」という資産があったわけではありません。
言うなれば、
彼が主の約束を信頼したとき、
神が彼の口座に「義」という名の資産を振り込まれたのです。
キリストとの結びつき
この「みなされる義」は、
究極的には主イエス・キリストを指し示しています。
アブラハムが信じたのは「あなたの子孫によって地上のすべての民族が祝福される」という約束でした。
その子孫の頂点におられるのがキリストです。
私たちがキリストを信じる時、
私たちの原罪1がキリストによって清算され、
キリストの完全な義が、私たちに「記帳(転嫁)」されます。
アブラハムが受けた義は、
数千年後のキリストの十字架による救いを
先取りするものだったのです。
訳文比較
新改訳2017: 「彼は主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。」
新共同訳: 「アブラムは主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。」
多くの日本語訳では「認められた」と訳されています。
原語のニュアンスはより動的で、
「(本来はそうでないものを)そのように評価してカウントする」
という法的・事務的な響きがあります。
自分の行いではなく、
神の側での一方的な「評価の決定」によって救いが成立していることが、
原語の「ハーシャヴ」からより鮮明に浮かび上がります。
アブラハムが見上げた星空の約束が、
今日、私たちの救いの確かさとして輝いています。
- 原罪:人は生まれながらにして、神を信頼して生きるよりも、自分中心で生きてしまうようになっていること ↩︎

