今回の本は
ミヒャエル・エンデのモモです!
幼い頃から頃からずーっと
置物みたいに置いてあった本。
一度も開いたことなかったのに、
なんかふと読んでみようと思いました。
これがあるから、
できるだけ本は捨てない方がいいのだ!!
あらすじ
モノが無くても、
想像力豊かに広場で遊ぶ子ども
自由気ままに仕事をして、
友達や家族、恋人との時間を満喫する大人たち
マイペースに生きる人々に、
「灰色の男たち」が忍び寄ってくる。
彼らは、人々に
「時間というものは、有限なのです」
と説く。
そんな有限なモノを、
ムダなおしゃべりや、遊び、思いつきの行動
に費やしていいんですか
と説得する。
それよりも、
将来のため、お金を稼ぐために、自己研鑽に時間を費やし、くだらない飲み会には行かず、将来性のない恋人とのデートなどに時間を費やさず、もっと効率的・能率的に稼いだり、能力を高めるために
時間を使ったほうがいいんじゃないですか。
と説くのである。
その言葉を間に受けた人々は
今までの生活様式をいっぺんさせる。
家族団らん、恋人とのデートは時間のムダだから辞める。
友だちとの飲み会なども生産性がないため辞める。
子どもたちには広場で遊ばせず、知的玩具を与え、英才教育をさせる。
仕事もなるべくコストをかけず効率的に稼げるように
客の回転率を高め、最低限のサービスで対応する。
これまでに持っていた仕事に対するプライドや愛着は捨てる。
その結果、人々はどうなってしまったか。
初めのうちは気がつかない程度だが、ある日急に、なにもする気がなくなってしまう。(中略)心の中はますますからっぽになり、自分に対しても、世の中に対しても、不満がつのってくる。そのうちにこういう感情さえなくなって、(中略)自分とはなんの関わりもないと思えてくる。怒ることもなく、感激することもなく、喜ぶことも悲しむこともできなくなり、笑うこともなくことも忘れてしまう。心の中は冷え切って、人も物もいっさい愛することができない。(中略)
この病気の名前はね、致死的退屈症というのだ。
モモという少女だけが、
この病気にかからず
灰色の男たちに立ち向かってくれる。
そんなお話です。
現代にモモはいない
令和ジャパンは、
灰色の男たちに
完全屈服したあとの世界
に違いない!!
しかも、モモはいてくれないのだ!!
みんなうつろな顔で
スマホの画面を眺め、
行きたくもない仕事場へと向かい、
ムダなく効率的に作業をこなし、
不安定な時代でも安心を得るため、
必要なビジネススキル・資産形成・リスキリング
その正解をAI(人工知能)に求める。
もともと自分はどう生きたかったのか、
なにが好きで、なににワクワクしていたのか
そんなことももう覚えていない。
どうせお金にならないから意味ない
と切り捨ててきた数々の可能性
子供の頃から無意識に刷り込まれてきたのは
まさに灰色の男たちの説得ですね。
まぁ、全部ボクのことなんすけどね。
時間とはすなわち生活なのです。
そして生活とは、人間の心の中にあるものなのです。
人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなってしまうのです。
モモより

